15の多様な専門コース

文化相関・異文化コミュニケーション系 国際関係・比較政治論コース

最終更新日 2017年8月23日

コースの紹介

 本コースでは、社会科学をベースに世界各地域の政治現象を捉えることを目指しています。たとえば、国際社会の変容を踏まえながら、国内の政治と社会の関係が変化する様態を浮き彫りにする高度な研究が、院生によって進められています。また、従来の政治学や国際関係論では十分に取り上げられてこなかった分野横断的なテーマについて、積極的に現地調査を行いながら取り組む院生もいます。5名の教員は、国際政治学の主要なアプローチを全てカバーするバランス良い構成となっており、院生による新しい研究意欲に対応していく体制となっています。
 特筆したい点として、論文作成の基本に関して新年度毎にオリエンテーションを行っています。また論文作成指導では、前期課程と後期課程の院生が全員、毎週出席するグループ演習を実施しています。この場の知的迫力は、ぜひ体験して頂きたいものです。教員と院生の全員が協力して徹底した検討を加え、オープンな場で鍛え合っています。この過程で、参加者には、向上心、自発性や集団での作法が身に付きます。また国際政治学の基礎から応用までを修得し、また社会に出ても通用する思考力や討論力が体得されます。
 本コースでは、院生がどんな研究テーマを選択しても、新しい多文化共生のあり方を大切にする視線に身に付けて頂きたいと思っています。教育政策、移民問題、民主化、ナショナリズムの動態、福祉制度などの政治と文化が交錯するテーマに関して、研究が積み上げられてきたのも本コースの特徴です。また前期課程では歴史学を修めた方が、後期課程で政治学を身に付けたい、といった学際的な院生の志向に対応してきました。キャリアアップの方にも、研究者志望の方にも、きっと自分を向上させるきっかけを見つけてもらえるはずと信じています。
 わたしたちと共に、新しい国際社会のあり方を見出そうではありませんか!

 
就職実績

(前期課程) 関西経済連合会、大阪府、神戸大学職員、京都大学職員、テス・エンジニアリング、JNC、アフラック、税理士法人トーマツ大阪事務所、タブチ、関西電力

(後期課程) アジア経済研究所、広島大学大学院国際協力研究科、日本経済研究所、安全保障貿易情報センター

在籍学生数

(前期課程) 11名
(後期課程) 5名

論文テーマ例

The Futenma Relocation Problem in the U.S-Japan Military Alliance、米国連邦議会下院議員の投票行動の分析、ボローニャ・プロセスの理論研究に関する考察:総合的再検証の試み、「万人のための教育」に向けて:バングラデシュNGO、
「BRAC」による学校外教育プログラム、スウェーデンにおける移民政策の変容と移民の周辺化? 1990年代以降のワークフェア強化による集住化と格差拡大、トルコのクルド問題における国際的要因

所属教員の紹介

坂井 一成 教授 国際政治社会論特殊講義ほか
ヨーロッパ統合の進展と課題、民族問題と紛争予防、現代フランス政治・外交などの分野を主として研究しています。

阪野 智一 教授 比較政治社会論特殊講義ほか
ヨーロッパ統合と国内政治経済、福祉国家の再編過程、現代イギリス政治、政党政治研究などの分野を主として研究しています。

中村 覚 准教授 比較地域社会論特殊講義ほか
中東における予防外交の可能性、中東の民主化と多文化共生、イスラーム世界における国家と社会などの分野を主として研究しています。

安岡 正晴 准教授 比較地域政治論特殊講義ほか
比較公共政策、現代アメリカ政治(特に連邦制と都市問題)などの分野を主として研究しています。

近藤 正基 准教授 多文化政治社会論特殊講義ほか
比較福祉国家、比較政治、現代ドイツ政治などの分野を主として研究しています。

 

所属学生からのメッセージ

岩崎 千玲さん
(博士前期課程2年)
神戸大学国際文化学部卒業
研究テーマは「現代日本におけるジェンダー・家族政策」

★メッセージ
 私が学部生だった頃は、とても幅広いことに興味があり、気の向くままに勉強していました。ひとつのことに究めようとようやく決心したのが3回生も終わりに近いころでした。スタートも遅く、もちろん焦りもありましたが、「これから自分は学問をするのだ」とわくわくする気持ちでいっぱいでした。
 私の研究テーマは、ジェンダーや家族に関する政策が、現代日本ではどのように発展してきたのかについてです。この研究は、比較政治学が主な領域ではありますが、ジェンダー論や家族社会学についての知識も必要で、領域横断的な内容です。また、この研究をより深めるためには、日本以外の事例を確認する必要もあります。この国際文化学研究科では,多彩な学問領域の授業も受講できるうえに,さまざまな国や地域に関する研究も盛んであるため、とても素晴らしい環境で研究に取り組むことができています。
 授業に限らず、それ以外の時間もまた充実しています。この研究科に集まってくる大学院生は意欲的で、いろいろなバックグラウンドをもった人びとです。院生室では、自分の研究の合間にさまざまなテーマについて議論したり、読んだ論文について教えあったりしています。自分の研究が思うようにすすまず、苦しいこともありますが、仲間たちの存在が励みになって、もっとがんばることができます。
 この研究科に素敵な仲間が増えることをみんなで楽しみにしています。

 

原田 豪さん
(博士後期課程3 年)
大阪大学文学部西洋史学科卒業、グローニンゲン大学・デウスト大学ユーロカルチャー MA プログラム修了
研究テーマ:「欧州統合における欧州社会政策の発展過程」

★メッセージ
 自分の研究テーマは、欧州統合がどのような制度によって推進されたか、その制度的制約が欧州レベルでの社会政策発展にどのような影響を与えたかです。本来は、南米での地域統合が出発点でしたが、地域統合を共通点にヨーロッパでの留学を経て、欧州連合の研究へとシフトしました。 学部での西洋史、欧州での留学という経験からすると、問題になりやす いのはアクセスできる文献だと思います。この点について、神戸大学は社会科学系の蓄積が多く、大学内の蔵書がこの大学を選ぶ利点の一つにな ります。また、国際関係論という一つの分野のみならず、社会科学全般を 考慮した学際的研究を行う際にも、蔵書の豊富さが非常に助けとなります。この学際的という面は、国際関係・比較政治論コースの強みでもあります。 毎週行われる集団演習では、指導教員だけではなく、他の先生や学生全員からの指摘を受けることができます。単一の視点だけからではなく、様々 な視野での考察を示唆されることで自身の問題認識という根本的な点の見直しから、論じ方という構成方法についての上達まで、様々な成果を得 ることが可能です。また、他の学生の報告・質疑応答を通じて、多種多様 な見識に触れる機会が得られます。研究の発展性という点において非常に有益な環境が提供されています。
 大学全体が国際交流に熱心であるという点も、研究に様々な機会を与えてくれます。外国から招聘された先生の授業などで、現地での問題認識を確認したりできますし、学外機関との連携から外国人学生との意見交換や、外国での発表の機会を得ることが可能です。
 研究を発展させるための「機会」を様々な形で提供しているというのが、このコースが研究者を目指す方々にとって一番魅力的な点であると思います。また、年度ごとに研究成果の報告を求められる点から、機会の提供だ けでなく活用も要求されるという点でも、研究に適した環境だと思います。

 

 

修了学生からのメッセージ

Gabriella Buonpane さん
(2015 年度博士前期課程修了)
ナポリ東洋大学卒業、ナポリ東洋大学大学とのダブルディグリー学生

★メッセージ
As a double degree student, I studied about the U.S. – Japan security relations at Kobe University for one year. In particular, my research theme is about the Futenma relocation problem and how it affects the bilateral military alliance.

In the International Relations and Comparative Politics course,     I had the chance to attend many interesting and stimulating classes which helped me deepen my understanding towards foreign affairs. The professors in this course are all highly skilled and passionate. They help the students gain a global vision of the topics discussed in class and in their researches.

An interesting characteristic of this course is the possibility to attend the collective Guidance Seminar every week whereby students can receive feedback on their research works from both colleagues and professors. This was very helpful to me. This seminar is useful to understand the strong and weak points of one’s research and allows students to practice oral presentations and question and answer system.

In addition, for Masters and Doctoral students, they have the opportunity to study in a Research Room filled with a private desk, printers, copy machines and many other facilities that are useful to every student and researcher.

All these elements made studying in this course an amazing experience.

 

石黒 大岳さん 
(2010年度博士後期課程修了)
九州大学文学部卒業。九州大学人文科学府修士課程修了。神戸大学国際文化学研究科博士後期課程修了。神戸大学・大阪国際大学非常勤講師、九州大学人文科学研究院助教を経て、現在、日本貿易振興機構アジア経済研究所地域研究センター研究員。

苅田 弥生★メッセージ
  私は、クウェートでの留学をきっかけに中東湾岸諸国における民主化や議会政治の展開に関する研究を志し、学位取得のため、湾岸諸国を専門とする数少ない研究者の一人である中村覚先生に指導教員となって頂くべく神戸大学国際文化学研究科に入学しました。それ以前は歴史学を専攻していましたが、本研究科で政治学の方法論や論じ方を身に着けていきました。
  学位論文を完成させる作業は指導教員との一対一でのやりとりが中心になりますが、毎週実施される集団指導演習で鍛えられた効用は大きかったと思います。集団演習での報告は、内容についての批評をもとに議論を深め、博士論文の完成に向けて着実に歩を進めるだけでなく、学会報告等に向けた実践的な訓練になりました。他の学生の報告からも得るものが多く、演習後の院生室で意見交換しながら学んだことは、分野を超えた耳学問の強みで、国際政治学の授業を担当した時や他分野の研究者との共同研究を進める際に随分と役立っています。
  3年間で博士論文を完成させるのは相当ハードな作業ですが、そのための制度や指導体制は整えられているので、研究に打ち込み甲斐のあるコースだと思います。

 

 

qa

学部では政治学や国際関係論を専攻していたわけではないのですが、大丈夫でしょうか。

必ずしも学部で専攻している必要はありませんが、研究をより実りあるものとするために、入学までに予め基本的知識を身につけておくと良いでしょう。そこで入学試験に合格した方には、政治学の基本に関する「入学前リーディングリスト」を案内しています。またコース教員の坂井教授、安岡准教授は各々のホームページで、事前にどのような勉強をしておくのが望ましいか、入学志望者向けガイダンスのページを設けて参考文献などを挙げて紹介していますので、まずはそれらを参考にしてもらうと良いと思います。

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