15の多様な専門コース

文化相関・異文化コミュニケーション系 国際関係・比較政治論コース

最終更新日 2015年9月11日

コースの紹介

本コースでは、社会科学をベースに世界各地域の政治現象を捉えることを目指しています。たとえば、国際社会の変容を踏まえながら、国内の政治と社会の関係が変化する様態を浮き彫りにする高度な研究が、院生によって進められています。また、従来の政治学や国際関係論では十分に取り上げられてこなかった分野横断的なテーマについて、積極的に現地調査を行いながら取り組む院生もいます。5名の教員は、国際政治学の主要なアプローチを全てカバーするバランス良い構成となっており、院生による新しい研究意欲に対応していく体制となっています。
特筆したい点として、論文作成の基本に関して新年度毎にオリエンテーションを行っています。また論文作成指導では、前期課程と後期課程の院生が全員、毎週出席するグループ演習を実施しています。この場の知的迫力は、ぜひ体験して頂きたいものです。教員と院生の全員が協力して徹底した検討を加え、オープンな場で鍛え合っています。この過程で、参加者には、向上心、自発性や集団での作法が身に付きます。また国際政治学の基礎から応用までを修得し、また社会に出ても通用する思考力や討論力が体得されます。
本コースでは、院生がどんな研究テーマを選択しても、新しい多文化共生のあり方を大切にする視線に身に付けて頂きたいと思っています。教育政策、移民問題、民主化、ナショナリズムの動態、福祉制度などの政治と文化が交錯するテーマに関して、研究が積み上げられてきたのも本コースの特徴です。また前期課程では歴史学を修めた方が、後期課程で政治学を身に付けたい、といった学際的な院生の志向に対応してきました。キャリアアップの方にも、研究者志望の方にも、きっと自分を向上させるきっかけを見つけてもらえるはずと信じています。
わたしたちと共に、新しい国際社会のあり方を見出そうではありませんか!

就職実績

(前期課程) 関西経済連合会、大阪府、神戸大学職員、京都大学職員、テス・エンジニアリング、JNC、アフラック、税理士法人トーマツ大阪事務所、タブチ、神戸市職員

(後期課程) アジア経済研究所、広島大学大学院国際協力研究科、日本経済研究所、安全保障貿易情報センター

在籍学生数

(前期課程) 1年6名(内キャリアアップ型2名) 2年3名(内キャリアアップ型1名)

(後期課程) 2年3名 3年1名

論文テーマ例

アイルランドに於ける輸出主導型経済についての考察、米国連邦議会下院議員の投票行動の分析、ボローニャ・プロセスの理論研究に関する考察:総合的再検証の試み、「万人のための教育」に向けて:バングラデシュNGO、「BRAC」による学校外教育プログラム、スウェーデンにおける移民政策の変容と移民の周辺化? 1990年代以降のワークフェア強化による集住化と格差拡大、トルコのクルド問題における国際的要因

所属教員の紹介

坂井 一成 教授 国際政治社会論特殊講義ほか
ヨーロッパ統合の進展と課題、民族問題と紛争予防、現代フランス政治・外交などの分野を主として研究しています。

阪野 智一 教授 比較政治社会論特殊講義ほか
ヨーロッパ統合と国内政治経済、福祉国家の再編過程、現代イギリス政治、政党政治研究などの分野を主として研究しています。

中村 覚 准教授 比較地域社会論特殊講義ほか
中東における予防外交の可能性、中東の民主化と多文化共生、イスラーム世界における国家と社会などの分野を主として研究しています。

安岡 正晴 准教授 比較地域政治論特殊講義ほか
比較公共政策、現代アメリカ政治(特に連邦制と都市問題)などの分野を主として研究しています。

近藤 正基 准教授 多文化政治社会論特殊講義ほか
比較福祉国家、比較政治、現代ドイツ政治などの分野を主として研究しています。

 

所属学生からのメッセージ

郭 鋭さん(2015年博士前期課程修了)

華中科技大学(中国)外国語学部卒業。
研究テーマは「台湾独立問題をめぐる政治過程――社会構成主義的分析」。

郭 鋭★メッセージ
論を導入することで、台湾人のナショナルアイデンティティの変化が台湾の独立運動に与えた影響を考察してみたいと考えています。
本コースでは、国際関係に関心を持つ学生たちがグローバルな視点から研究を進め、また知識が豊富な先生方が親切かつ丁寧に研究を指導して下さります。私は留学生として、当初は言語や文化などの違いにより、日本の環境にうまく溶け込めるかどうか心配していましたが、平素より先生方や先輩方が研究においても生活においてもいろいろと助けて下さり、毎日が充実しています。大学院生として研究が最も重要なことですが、多角的な視点から研究を進められることは本コースならではの特徴であり、高いレベルの研究が期待できます。
私の所属するキャリアアップ型プログラムは、就職を希望する学生を対象に、幅広い専門的知識と実践的な応用能力の修得によって、キャリアの高度化を目標とします。自分の研究分野に関する授業以外にも、ITスキルや統計・計量分析法などといったアカデミック・スキルを効率的に習得することを目指す科目を履修できます。
一言でいえば、本コースは知識を深められ、人間性を磨け、院生生活を楽しめるところだと思います。

 

佐藤 良輔さん(博士後期課程3 年)

京都産業大学外国語学部卒業、神戸大学国際文化学部博士前期課程修了。
研究テーマは「開放調整方式に基づく欧州化とそのメカニズム」

佐藤 良輔★メッセージ
私は現在、欧州統合が進展する中で、どのようにEU・国家・地方自治体によって移民統合政策に関するガバナンスが行われているのかを研究しています。
博士前期課程では、移民管理政策を事例として、欧州統合の進展が加盟国の国内構造に与える影響、つまり「欧州化」と呼ばれる研究を行いました。博士後期課程では、移民政策のもう一つの柱である、移民統合政策に関する研究に取り組んでいます。
本研究では、「欧州化」と「マルチレベル・ガバナンス」という欧州統合に関する2 つの理論を分析枠組みとして用い、EU・国家・地方自治体などの移民統合政策に携わっている政治的アクターへの聞き取り調査などを実施する予定です。
本コースの特徴として、コースに所属する教員と院生が全員参加する集団論文指導演習が挙げられます。この演習への参加が、研究を進めていくうえで中心となります。研究発表では、研究で用いている理論枠組み、事象の分析、研究計画について教員や院生からの指摘や評価を受け、それによってプレゼンテーションや質疑応答に関する能力を高めていきます。また、様々な質問を受けることによって、自分では思いもつかなかった発見をする機会もあります。
今後、研究者をめざす後期課程の学生には、国内外への研究発信力、さまざまな研究資金の獲得、日本人や外国人研究者との交流などが重要になってくると思いますが、本コースではこれらを身に付けることが出来ます。また、個人用デスクの利用やコピーカードの支給などもあり、研究に集中するためのしっかりとした環境も整っていると思います。

 

修了学生からのメッセージ

苅田 弥生さん(2010年度博士前期課程修了)

関西学院大学文学部卒業。神戸大学国際文化学研究科博士前期課程修了。
現在、関西経済連合会勤務。

苅田 弥生★メッセージ
学部生時代に言語政策の観点からEUに興味を持ち、EU 研究のさかんな神戸大学を進学先として志望しました。その後、1年の休学を経て、EU が、各国の国境を越えた自治体間での協力関係にどのような支援を行っているのかという新たなテーマに取り組むことを決意しました。大きな方向転換の中、支えてくださったのが指導教員をはじめとするコースの先生方や所属する院生の方々。全員が出席する週に1回の集団論文指導演習では、それぞれの研究テーマの垣根を越えて、時に厳しく、さまざまなご意見をいただき、道を見失わず前進することができました。
コースの中でも感じた「多様性」ですが、まさに、この研究科自体の魅力がその点に凝縮されていると思います。コース外の講義を受講することで視野が広がりましたし、院生室を同じにする他コースの方々をはじめ、多彩な院生仲間とは勉強会などを通じて切磋琢磨し合うことができました。EU に関するより広い視座を得ようと履修したEUIJ の各講義では、他研究科の先生方にも指導を仰ぐとともに、ゲストスピーカーによる講義に大いに刺激を受けました。
私にとって、院生時代に築いた人間関係は社会人となった今も宝です。多彩な「人」との出会いが、あなたの研究の幅をさらに広げてくれることと思います。

石黒 大岳さん (2011年度博士後期課程修了)

九州大学文学部卒業。九州大学人文科学府修士課程修了。神戸大学国際文化学研究科博士後期課程修了。
神戸大学・大阪国際大学非常勤講師、九州大学人文科学研究院助教を経て、現在、日本貿易振興機構アジア経済研究所地域研究センター研究員。

苅田 弥生★メッセージ
私は、クウェートでの留学をきっかけに中東湾岸諸国における民主化や議会政治の展開に関する研究を志し、学位取得のため、湾岸諸国を専門とする数少ない研究者の一人である中村覚先生に指導教員となって頂くべく神戸大学国際文化学研究科に入学しました。それ以前は歴史学を専攻していましたが、本研究科で政治学の方法論や論じ方を身に着けていきました。
学位論文を完成させる作業は指導教員との一対一でのやりとりが中心になりますが、毎週実施される集団指導演習で鍛えられた効用は大きかったと思います。集団演習での報告は、内容についての批評をもとに議論を深め、博士論文の完成に向けて着実に歩を進めるだけでなく、学会報告等に向けた実践的な訓練になりました。他の学生の報告からも得るものが多く、演習後の院生室で意見交換しながら学んだことは、分野を超えた耳学問の強みで、国際政治学の授業を担当した時や他分野の研究者との共同研究を進める際に随分と役立っています。
3年間で博士論文を完成させるのは相当ハードな作業ですが、そのための制度や指導体制は整えられているので、研究に打ち込み甲斐のあるコースだと思います。。

 

qa

学部では政治学や国際関係論を専攻していたわけではないのですが、大丈夫でしょうか。

必ずしも学部で専攻している必要はありませんが、研究をより実りあるものとするために、入学までに予め基本的知識を身につけておくと良いでしょう。そこで入学試験に合格した方には、政治学の基本に関する「入学前リーディングリスト」を案内しています。またコース教員の坂井教授、安岡准教授は各々のホームページで、事前にどのような勉強をしておくのが望ましいか、入学志望者向けガイダンスのページを設けて参考文献などを挙げて紹介していますので、まずはそれらを参考にしてもらうと良いと思います。

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