15の多様な専門コース

グローバル文化専攻・現代文化システム系 芸術文化論コース

最終更新日 2019年7月23日

コースの紹介

  芸術文化論コースは、芸術文化コンテンツ系と芸術文化環境系から構成され、造形美術(絵画)、文学、舞台芸術(音楽、オペラ、演劇)、ファッションなどの芸術(アート)作品と社会との関わりについて研究しています。
   コンテンツ系では作品内容の分析を通してそこに反映される社会意識や世界観を考えます。環境系では、創作の自由やアートヘ容易にアクセスできる権利の保障、文化施設運営の実際などについて、国際比較を踏まえて考察し、文化政策のグランドデザインや、その具体的実践としての芸術と社会をつなぐアートマネジメントに取り組んでいます。
   本コースでは、学部時代の専門に関わらず、芸術とそれを支える環境に関心を持ち、専門的に学ぼうとする意欲にあふれた学生の受験を歓迎します。

 
進路実績

(前期課程) (前期課程) 神戸大学連携創造本部助教、兵庫県立芸術文化センター職員、公益財団法人びわ湖ホール職員、神戸市民文化振興財団職員、神戸市灘区民センター指定管理者、関西フィルハーモニー管弦楽団、同志社大学職員、大阪大学職員、安芸市役所、NPO法人コミュニティアートセンタープラッツ、カフェ・カンパニー、NHK、京都市役所、他

(後期課程) 同志社大学教授、福井大学准教授、京都橘大学准教授、東北工業大学准教授、大阪府商工労働部主任研究員、サントリーホールディングス、神戸大学非常勤講師、大阪市立大学非常勤講師、関西学院大学非常勤講師、大手前大学非常勤講師、流通科学大学非常勤講師、龍谷大学准教授。

在籍学生数

(前期課程) 16名

(後期課程) 3名

論文テーマ例

(前期課程)
地域コミュニティ、パブリックシアターの組織運営、民間非営利組織間のネットワーク形成、持続可能なコミュニティアート、ベルリンの「社会文化センター」、スウェーデンの文化政策と市民活動、シンガポールの文化政策、文化遺産の保護と活用:フランスと中国の旧市街地、パリ市の都市空間整備、ロシア帝政期の教会建築、ジャポニスム、林忠正、印象派画家カイユボット、フランスの女性作家、前衛書と抽象表現主義絵画、コルセットの表象、日本のストリートファッション、他

(後期課程)
文化政策と社会的包摂、日本の近代広告、ドーミエと近代都市パリ、戦前の日本における近代フランス音楽の受容、ジャポニスム期の日本陶磁器コレクションと日仏の交易、宮沢賢治と光学、他

所属教員の紹介

池上 裕子 准教授 現代芸術動態論特殊講義ほか
第二次世界大戦後の美術と国際美術シーンのグローバル化。専門はアメリカ美術ですが、戦後の国際政治における文化外交にも関心があり、日米交渉史や戦後日本美術の研究に取り組んでいます。綿密な作品研究から芸術を比較文化的・社会政治的に論じることを目指しています。

岩本 和子 教授 芸術文化共生論特殊講義ほか
研究テーマはフランス語圏文化、特に19 世紀のフランス文学と、隣の多言語国家ベルギーにおける文化的アイデンティティの問題や文化政策です。また、マグレブ、クレオールなどのフランス語圏ポストコロニアル文化、マイノリティ文化にも関心があります。

藤野 一夫 教授 文化環境形成論特殊講義ほか
音楽文化論、文化政策、アートマネジメントについて、理論と実践の両輪で取り組んでいます。近年アートが創造都市や地域活性化の道具として注目されていますが、芸術文化の公共的価値性はもっと多様であることを明らかにしたいと考えています。

松井 裕美 講師 現代芸術社会論特殊講義ほか
20世紀フランスの前衛美術を専門に、芸術と政治社会、文学、科学との関係について考える研究をおこなっています。授業では、西洋の近現代美術の成り立ちを理解しながら、認識や価値の形成、アイデンティティーの問題などを考える機会を皆さんと共有していきたいと思います。

 

所属学生からのメッセージ

劉 丹さん(博士後期課程1 年)

陝西師範大学外国語学部日本語学科卒業
研究テーマは「中日におけるフランス文学の受容に関する考察――
ヴィクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』を中心に」

★メッセージ
  私は、中日におけるフランス文学の受容について研究しています。幼い頃から世界各国の文学作品を読んできて、世界各地の文化に興味を持っていました。中国と日本の近現代文学は、西洋文学に深く影響を受けたことがわかりました。博士前期課程において、フランス文学の巨匠ヴィクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』を例として、この小説はいかに中日に移入され、受容されたのか、また中国への移入はいかに日本に影響されたのか、研究したいと思います。将来色々な国に足を踏み入れ、異文化研究についての仕事をしたいと思います。
 今は芸術文化論コースにおいて、フランス語圏文化についての知識を習い、自分の研究分野以外にも、様々な芸術分野の先生方からご指導をいただいています。幅広い知識に触れながら、専門的な研究をすることができ、国際交流の機会もたくさんあるのは、本コースの特色だと思います。留学しながら研究するのは大変ですが、恵まれた環境の下で充実した日々を過ごすことができています。これからも後期課程に入って研究を深めていこうと思います。

 

南田明美さん

大阪音楽大学音楽学部卒業、神戸大学発達科学部卒業(編入)、神戸大学大学院国際文化学研究科博士課程前期課程修了、シンガポール国立大学大学院人文社会学研究科留学。
日本学術振興会特別研究員(DC2、2016 年-2018 年)、南洋理工大学人文社会学部客員研究員(2016 年-2017 年)。現在、大阪音楽大学音楽学部助手。

★メッセージ
  私は、芸術社会学文化政策論を専門としています。研究テーマは、グローバル都市シンガポールにおけるコミュニティを対象とした芸術文化活動の歴史です。とりわけ、政府と市民社会が、国家観をめぐって、どのような問題で、対立し、交渉・協調関係を結んできたのかについて分析しています。
 学外では、母校で助手を務めるほか、音楽大学の同級生とともに地域に寄り添った音楽活動を行い、関西圏における芸術文化環境の問題にも関心を寄せています。
 文化政策研究では、理論と実践における各々の語法をつかみ取ることが大切です。本コースの先生方は、論文指導のほかに、芸術文化活動の「現場」に触れる多くの機会を下さいます。学部で芸術学を修めていなくても、芸術を読み解くうえで必要な「感性」を磨くことができると思います。私の研究には、芸術学のみならず、社会学の理論と調査法の知識が必要ですが、コロキアム等を通して現代文化システム論講座に属する社会学の先生方からもアドヴァイスを頂けます。また、院生研究室では、芸術学と社会学の院生が共に過ごしていることから、互いの研究の隣接領域に関する情報交換も盛んです。長期の海外留学、短期海外研修における英語での研究発表の機会もあるほか、留学生も多く、国際的な視野をもって研究できます。

 

 

修了学生からのメッセージ

橋本 麻希さん(2009 年度博士前期課程修了)

神戸大学発達科学部卒業、同大学院国際文化学研究科博士前期課程修了。
研究テーマはアートマネジメント、コミュニティアート。現在、城崎国際アートセンターにアートコーディネーターとして勤務(豊岡市職員)。

★メッセージ
  大学院在学中も、地域に根差した活動とともにコンテンポラリーダンスを発信するNPO 法人 DANCE BOX(神戸新長田)での劇場インターンや、別府現代芸術フェスティバルでのボランティアをはじめ、様々なアートプロジェクトの現場に関わりました。修了レポートでは、イギリス発祥のコミュニティアートの歴史を振り返り、日本において“地域に根差し持続可能な”アートプロジェクトとはどのようなものか、現場での経験とフィールドワークをもとにまとめました。
  現在は、国内でも珍しい舞台芸術に特化したアーティスト・イン・レジデンスの拠点「城崎国際アートセンター」に勤務し、アーティストの受け入れや地域の方々とアーティストとの交流プログラムのコーディネートを担当しています。専門性の高い授業を受けることができる一方で、現場にも積極的に出ていける研究科の雰囲気のお陰で、舞台芸術制作者としてのスタートを切ることができ先生方や学友たちに大変感謝しています。

 

寺田 卓矢さん(2010年度博士後期課程修了)

立命館大学政策科学部卒業、同大学院政策科学研究科博士前期課程修了、神戸大学大学院国際文化学研究科博士後期課程修了。
研究テーマは近代日本音楽文化史。現在、兵庫県立芸術文化センター勤務。
サントリーホールディングス勤務を経て、現在同志社大学教授。2010年より大阪市立大学文学部非常勤講師、2011 年より関西学院大学社会学部非常勤講師、2011 年10 月に博士論文に基づく著書『近代広告の誕生―ポスターがニューメディアだった頃』(青土社)を出版。

★メッセージ
  国際文化学研究科在籍中は、アジア・太平洋戦争期の音楽運動に焦点を当て、激動の時代に山田耕筰や清水脩ら指導的音楽家が音楽によって何を訴えようとしたのか、そして時代の制約の中で成し遂げたこと、できなかったことを探求し、博士論文にまとめました。他方で多数のコンサートやシンポジウムの運営にも関わり、アーティストや研究者らの現代文化に関する刺激的な見識と情熱に触れることができました。常に研究と実践の両輪で進む大学院生時代でしたが、両者は絶えず交差しており、先人の功罪を知ることが “より良い未来”を具体的に構築していくための足場となっていったように思います。現在は公共劇場で施設管理と貸館業務を担当しており、日々、国内外の第一線で活躍するアーティストから地域の市民団体まで、多様な芸術の担い手と交流し、芸術の過去と未来を考えるたくさんのヒントを頂いています。

 

 

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学部時代の専門は芸術がテーマではないのですが?

芸術文化の研究もまた歴史や現代社会のさまざまな事象につながるものですから、学部時代の勉強を生かしてテーマ設定をすることは可能です。また博士前期課程では、自分の関心あるテーマだけではなく、いろいろな作品にできるだけ幅広く触れてほしいと考えています。

語学力は必要でしょうか。

研究する際に必要になる考え方の多くが欧米の研究を基礎としていることもあり、英語を知っていることは研究の大きな助けになります。また、芸術文化は言語と密接な関係にありますので、すくなくとも入学後には研究対象と関係する語学を学習してほしいと思います。

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