15の多様な専門コース

文化相関・地域文化系 アジア・太平洋文化論コース

最終更新日 2017年8月23日

コースの紹介

 現代のアジア・太平洋地域は、経済や国際交流等の面で激しい変動を経験しながら急速に発展しています。その意味では今まさに地球上でも最もホットな地域の一つであると言えるわけですが、それらの表面的な発展の流れを追うのみではこの地域の持つ特質は理解できません。東アジアにせよ、東南アジアや太平洋地域にせよ、各地域が古くから保持してきた複雑きわまりない多彩な伝統というものがあり、その伝統がグローバル化の波をかぶりつつ変容してきた結果が、現在の姿なのです。したがって、この地域の特質を深く理解しようと思えば、社会構造、宗教、歴史、経済状況等々の諸方面から掘り下げた専門的な研究が不可欠となります。本コースでは、それらの専門的な研究視点、研究方法を多様な教授陣が様々な専門領域の授業で伝授し、指導する体制を整えています。

 
就職実績

(前期課程) アジア・太平洋地域関連で活動している諸企業、諸団体等への就職が予想されます。最近の修了者の就職先例:八重洲出版、トランス・コスモス(株)。

(後期課程) 日本での大学・短大・高専・各種研究所、企業などへの就職の他、留学生の場合には出身国での大学や企業における専門職への就職等も期待されます。最近の修了者の就職先例: 中国・内蒙古工業大学人文学院専任講師。中国・北京外国語大学外国語学院専任講師。

在籍学生数

(前期課程) 2名
(後期課程) 12名

論文テーマ

・日本人夫を持つタイ人妻の研究
・インドネシアにおける大学生の恋愛と性をめぐる葛藤
・国際交流活動と進路選択―東南アジア青年の船を事例に―
・アイヌ文化の表象と実践―白老町における文化活動を事例として初期日豪関係の展開と日本イメージに関する歴史学的研究
・明代(14-17世紀)の雲南麗江ナシ族・木氏土司
・蒙古青年結盟党(1938‒1941年)から蒙古青年革命党(1944-1945年)へー日本支配期から戦後にかけての内モンゴルにおける民族主義政党ー
・清代内モンゴルにおける農地所有とその契約に関する研究―帰化城トゥメト旗を中心に―(第12回アジア太平洋研究賞受賞博士論文)

所属教員の紹介

伊藤 友美 准教授 東南アジア社会文化論特殊講義ほか
東南アジア地域研究、タイ研究、仏教と女性研究などの分野を主として研究しています。

王 柯 教授 中国杜会文化論特殊講義ほか
近現代中国思想史、日中関係などの分野を主として研究しています。

窪田 幸子 教授 オセアニア社会文化論特殊講義ほか
オセアニア地域の文化人類学などの分野を主として研究しています。

貞好 康志 教授 東南アジア国家統合論特殊講義ほか
インドネシア現代史、華僑華人研究、水環境史などの分野を主として研究しています。

萩原 守 教授 モンゴル社会文化論特殊講義ほか
東洋史学、特に清代から近現代におけるモンゴルと中国の歴史などの分野を主として研究しています。

谷川 真一 准教授 中国社会経済論特殊講義ほか
現代中国の政治・社会運動、政治体制などの分野を主として研究しています。

 

所属学生からのメッセージ

菅 健吾さん
(博士前期課程2年・研究者養成型プログラム)
神戸大学発達科学部人間形成学科卒業。
研究テーマは「日本統治時代後期の台湾における民間の日本人と台湾人の関係について」

 ★メッセージ
 
私の親族の台湾からの引き揚げ体験が私の研究の出発点でした。アジア諸国・地域への理解は、「日中友好」「日台友好」などの政治的な言説によって、単純化されがちです。民間の関係を歴史的に分析することは、ますます複雑化する日台関係の進むべき道を示すヒントになると考えています。
 アジア・太平洋文化論コースの魅力は、多様な視点を学ぶことができることです。本コースには様々な地域・分野に精通した先生方がいて、研究対象へのミクロな 視点と、アジア太平洋地域というマクロ な視点との往来ができ、新たな発見や視 点を得やすい環境にあります。多角的な 視点は学術研究に限らず、個人として社 会をどう見て、どう生きていくかの指標 にもなるものだと思います。研究室の仲 間も多様で、社会人経験者や留学生らに 囲まれ、知的刺激に満ちた環境で楽しく 過ごしています。

 

アローハン(阿如汗)さん
(博士後期課程3年)
神戸大学大学院国際文化学研究科博士前期課程修了。
研究テーマは、「清末から中華民国初期の内モンゴルにおける近代学校教育の展開と知識人の育成」。

アジ太2★メッセージ
 私は、中国の内モンゴル自治区から来たモンゴル人留学生です1903年、グンサンノルブ(貢桑諾爾布)というモンゴル王侯が、大阪で開催された第五回内国勧業博覧会へ招待されました。それをきっかけに、彼は日本から陸軍軍人(伊藤柳太郎ら)や女子教員(河原操子ら)を次々と招いて、新式教育を試みました。私の研究では、このように始まった近代的な学校教育が内モンゴルにおいて具体的にどのように展開し、それが内モンゴルの近代史にいかなる影響を及ぼしたのかという問題を解明することが目標になります。アジア・太平洋文化論コースには、モンゴルや中国を研究する先生方がおられます。また、隣の日本学コースにおられる日本史の先生にお世話になったりして、私のような学生には最高の研究環境であると思っています。おかげさまで、私は日本学術振興会特別研究員DC2 に採用されることとなり、史料調査や研究に経済上の心配なく取り組むことができるようになりました。

 

 

修了学生からのメッセージ

片山 信英さん
(2015年度博士前期課程修了)
大阪外国語大学(現・大阪大学)外国語学部インドネシア語科卒業、神戸大学法学部第二課程卒業。研究テーマは、「コミュニティ学習センターを活用したインドネシアのノンフォーマル教育の展開について」

★メッセージ
 私は神戸市役所に勤務する社会人大学院生として、仕事を終えた後、夜間の授業に通っていました。標準修業年限の2年では単位取得もままならないのではと心配していましたが、夏季等に開催される集中講義や長期履修制度を利用することによって、3年間で必要な単位を取得し、修士論文を作成することができました。
 仕事との両立など時間的な制約の多い社会人にとって学習環境は重要な要素です。夜間も開講していること、集中講義があること、長期履修制度があることなど、本コースは社会人にも門戸が開かれています。長期履修制度とは、職業をもつ社会人や育児・介護等の事情を有する大学院生は、授業料の負担をほとんど増やさずに2年間の在学期間を最大4年間まで延長許可してもらえる制度です。
 入学して驚いたことは、院生室に一人ひとり学習机が与えられることやアジアからの外国人留学生が多いことです。様々なバックグラウンドをもった学生の皆さんと授業でのディスカッションだけでなく、公私にわたる交流を通じて、これまで気づかなかった考え方に触れるなど、日々大きな刺激を受けることができました。

李 豊さん
(2014年度博士後期課程修了)
北京師範大学外国言語文学学院日本言語文学学部(北京范大学外国言文学学院日本言文学系)卒業。神戸大学国際文化学研究科博士前期課程終了。神戸大学国際文化学研究科博士後期課程終了。
研究テーマは「1950年代の日中貿易と日中関係-日中貿易促進団体の活動を中心に」。現在、北京外国語大学日本語学部講師

★メッセージ
 神戸の夜景は非常に美しいが、六甲山と摩耶山とでは眺めが違います。景色は見る角度でその美しさが変化するのです。こう思うたび、「学問は様々な視点から物事を考えるのが大事だ」という先生の言葉が胸に響きます。数多ある戦後日中関係に関する研究の中で、日本の民間人の役割という視点から考察する研究者はほとんどいません。そこで1950年代の日本の対中民間貿易団体の研究をはじめたのです。
 多様な視点だけでなく広い視野も院生時代に培った宝物です。国際文化学研究科での六年間、多くの先生の授業と指導を受け様々な国や地域の情報を得るとともに、発表や議論などを通じて多様な研究テーマをもつ学生たちとも交流できました。こうして私は中国や日本を超えてアジア太平洋地域から全世界にまで視野を広げ、また歴史学、文化人類学、政治学などの横断的な知識を身につけました。
 現在、自分も大学教員として毎日学問と授業を楽しんでいるが、国際文化学研究科での六年間の大切さが以前より深く感じられます。楽しく有意義な院生生活を送らせてくれた先生、学生、事務の方々に本当に感謝しています。

 

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留学生や社会人入学の院生もいますか ?

本コースでは日本人と留学生の両方がいつも多数在学しており、上記の通り、社会人入学・長期履修生の院生もいます。

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