情報コミュニケーション

最終更新日: 2026年06月23日

グローバル文化専攻・言語情報コミュニケーション系
情報コミュニケーションコース

 情報コミュニケーションコースでは、コンピュータやインターネットなどの情報通信技術を基盤として、人と人とのコミュニケーションや知識共有を支える仕組みを教育・研究します。情報技術が社会に広く浸透するなかで、技術と人間・社会との関係を踏まえながら、より効果的なコミュニケーションのあり方を探究します。
 本コースでは、データ分析や機械学習、インタラクションデザインなどの方法論を学びながら、コミュニケーションや学習を支援するシステムやアプリケーションの設計・実装など、さまざまな研究に取り組みます。また、ユーザ実験やデータ分析を通して、それらの技術がコミュニケーションや社会にどのような影響を与えるかを探究する研究も行われています。

 
就職実績

(前期課程)
株式会社 DeNA、日本 IBM、チームラボ株式会社、日本電気株式会社、西日本電信電話株式会社、滋賀県立成人病センター職員、コベルコシステム株式会社、スミセイ情報システム株式会社、富士通 FIP、東京農工大学職員、神戸情報大学院大学准教授、富士通ビー・エス・シー、神戸情報大学院大学職員、グッドスカイ( 株 )、中国電信北京支社、中国広発銀行、野村総研、アクセンチュア、ヤマハ発動機株式会社、セゾン情報システムズ

(後期課程)
大阪大学大学院基礎工学研究科特任助教、立命館大学情報理工学部講師、神戸情報大学院大学助手、神戸女子大学助教、大阪産業大学講師、北九州市立大学准教授、大妻女子大学短期大学部准教授、中国国家核電エンジニア、台湾実践大学講師、厦門理工学院講師、関西学院大学理工学部研究員、鹿児島純心女子大学人間教育学部准教授、株式会社 NTT データ技術開発本部研究開発職、大手前大学現代社会学部講師

在籍学生数

(前期課程) 14名
(後期課程) 4名

論文テーマ例

自然言語処理によるテキスト検索・生成・分析
コミュニケーション行動の分析(対面・オンライン)
社会活動データの分析・情報可視化
教育/学習支援システムの設計開発(外国語教育・情報教育など)
コミュニケーション支援システムとインタラクションの設計

所属教員の紹介

康 敏 教授 コンピューター・シミュレーション論特殊講義ほか
情報通信技術の情報教育及び外国語教育への応用に関してコミュニケーションの視点から研究・開発を行っています。特に統計的アプローチを用いてユーザのニーズにあった情報を提供することとユーザの特徴を抽出することに焦点を当てています。

清光 英成 教授 情報ベース論特殊講義ほか
データベースシステムやWeb 情報システムを用いてデータを高次利用することを目的としています。アクセス履歴などの利用者プロファイルや場所・時間などの状況を参考に「いつもの」という入力に利用者個別の答えを出力することをテーマにしています。

三林 亮太 助教 コンピューター・コミュニケーション・システム論特殊講義ほか
自然言語処理技術を用いたテキストの生成や分析を行っています。特に、モーラと呼ばれる拍の数を考慮したテキストの生成や、末尾に韻を含むラップの生成など、制約付きテキストの生成に興味を持ち、研究に取り組んでいます。

西田 健志 准教授 計算科学応用論特殊講義ほか
情報システムの操作性を向上するユーザインタフェースの研究、人どうしのやり取りを円滑にするコミュニケーションシステムの研究をしています。特に、意見がまとまらない、批判的な意見が言い出せない、外国語が流暢でないなど、コミュニケーションがうまくいかない状況を情報と心理の両面から見つめ直すこと、開発したシステムを実際に運用して知見を得ることを重視しています。

村尾 元 教授 認知情報システム論特殊講義ほか
生物に倣った 「柔らかい情報処理」 の技術を用いて、人間をはじめとする生物の集団に現れる知的な振る舞いの分析と応用について研究をしています。対象となるのは、人間などの個体が構成する小さな集団から、社会、経済、インターネットまで様々です。
キーワード:社会システム科学、機械学習、データサイエンス

大山 牧子 准教授 教育システム情報論特殊講義ほか
教育工学の枠組みで、大学の授業を効果的で効率的にするための手法やシステムを開発する研究を行っています。中でも学びを深める思考形態であるリフレクションに関心を持っており、リフレクションが学習効果にもたらす影響の分析やリフレクションを促すツールの開発に取り組んでいます。

 

所属学生からのメッセージ
 

三島 尚也さん(博士前期課程 2 年)
神戸大学国際人間科学部卒業
研究テーマ:「強化学習を用いたプロ野球における流れの分析および最適戦略の探索」

 プロ野球の中継を見たことがある人は、解説者が「今、流れが悪いですね…」と言っているのを聞いたことはありませんか。サンテレビを見て育った私は「本当にそうなのか?どれくらい流れが悪いのか?」と気になって生きてきました。このような定性的な事象・疑問に対して、定量的な切り口から分析・研究を行えるのが弊学の情報コミュニケーションコースです。大学入学までまったくプログラミングや情報技術のことを知らなかった私ですが、教員による充実した指導や切磋琢磨できる学友・環境に恵まれたことで、実際に数十万球の試合データを収集・機械学習することができ、現在はより高精度な予測モデルの作成を試みています。今後、大好きな阪神タイガースが更に勝てるような研究成果に達することが目標です。
 上述の研究テーマはデータサイエンス領域の一例ですが、周りの学生を見てみると「大規模言語モデル」や「メタバース空間」「アプリケーションの UI・UX」など IT 分野の多岐にわたる研究を行っており、各々の関心・興味に応じて活き活きと取り組んでいます。AI モデルや AI エージェントの利活用も進んでおり、研究室では学生と教員の壁を越え、最新技術や研究に関する情報などのコミュニケーションが日々取られています。コース生の和気あいあいとした空気も流れていてお気に入りの空間です。
 さて、大学院で学ぶことの大きな利点は、研究に関する専門性を修得できるだけでなく、答えのない問いに対して、仮説を設定し、検証・分析する姿勢を培う点にあると考えます。情報技術が高度に進歩し、大量の情報があふれ、AIに聞けばおおよそ数秒で答えが返ってくる今日、答えのない問いへの姿勢、思考の習慣はますます重要になっているのではないでしょうか。この姿勢と情報分野の知見を両得できるのが情報コミュニケーションコースです。皆さんと一緒に学びを深められる日を心待ちにしています。


許 佳雯さん(博士後期課程 3 年)
神戸大学大学院国際文化学研究科博士前期課程修了
研究テーマ:「日本語学習者と母語話者との発話動作の違いに関する研究」

 私は大学で日本語を専攻していましたが、言語はコミュニケーションを円滑に進めるための手段の一つだと考え、別の専門性も身につけることで将来の選択肢を広げたいと思うようになりました。そんなときに出会った指導教員の研究分野に強く魅力を感じ、国際文化学研究科の情報コミュニケーションコースへの進学を決めました。本コースは文理を問わず学べる環境があり、特に情報処理に関する分野は、これからの社会でますます重要になると感じています。日本語という自分の専門に加えて情報処理の技術を身につけることで、将来の可能性が広がると考えました。
 現在は、日本語学習者の発話に注目し、流暢に話していても母語話者に「ネイティブではない」と気づかれてしまうのはなぜかという疑問を出発点に研究を行っています。特に、発話時の口の動きに着目し、母語話者との違いを分析しています。研究室はとてもアットホームな雰囲気で、先生や先輩方も親身に指導してくださり、安心して研究に取り組める環境です。
 また、本研究科は国際的な雰囲気に満ちており、多様な国籍の学生と日常的に交流できる点も大きな魅力です。海外留学の機会も充実しており、私は博士課程でフランスへの留学を経験し、研究だけでなく文化や価値観の違いにも触れることで、視野をより広げることができました。文系出身でも、プログラミングや情報処理に興味がある方、そして国際的な環境で学びたい方は、ぜひここで一緒に研究を楽しんでいきたいです。

修了学生からのメッセージ

桑原 樹さん(2025 年度博士前期課程修了)
研究テーマ:「Sparse Autoencoders を用いた大規模言語モデルの迎合生抑制に関する研究」
現在、日本アイ・ビー・エム株式会社

 私は学部時代に機械学習やデータサイエンスに関心を持ち、より専門的に学びたいと考えて、学部 3 年生の 1 月ごろに情報コミュニケーションコースへの進学を決めました。進学後は、生成 AI の挙動分析及びその制御手法をテーマに研究に取り組みました。
 本コースでは、アプリケーションや AI をはじめとする情報分野の技術を活用し、身の回りの課題解決やデータ分析に関する研究・開発を行うことができます。先生方は学生の関心を尊重し、それぞれの興味に沿ったテーマで研究を進められる環境を提供してくださるため、IT を専門的に学びたい人だけでなく、自分の専門領域に IT を応用したいと考えている人にもお勧めできるコースだと思います。
 私が2年間過ごしてきて感じたこのコースの魅力は、研究テーマの多様性です。所属する学生が取り組んでいる研究テーマは、言語、教育、VR、スポーツ、ゲームなど非常に多岐にわたっており、活用している情報技術も様々です。そのため、学生同士の交流を通じて、幅広い分野の知見と数多くの情報技術に触れる機会を得ることができます。高い専門性に加えて、多様な視点が求められる今の社会において、その両方を養えるのは、このコースならではの経験だと思います。
 また、文系出身でも IT を学ぶことができるのも本コースの大きな魅力です。所属している学生の多くが文系学部出身ですが、先生方の熱心で手厚い指導や学生同士でお助け合いのもとで、技術を学びながら研究を進めています。一般的に文系領域とされる研究テーマでも、IT を活用することで、より深い分析や独自性の高い提案が可能になります。IT を活用して「こんな研究をしてみたい」というアイデアがある方は、ぜひ挑戦してください。

 

王 笑難さん(2025 年度博士後期課程修了)
研究テーマ:「オンデマンド教育における自発的学習情報を利用した学習状況の把握と活用に関する研究」
現在、日本学術振興会外国人特別研究員(一般)

 私はこれまでの学びの中で、本コース出身の先生方から指導を受ける機会があり、情報技術を活用した教育研究の面白さに触れました。自分もこの分野をより深く学びたいと考え、情報コミュニケーションコースの博士後期課程への進学を決めました。
 私は博士後期課程において、オンライン講義動画に対する学習者の注釈テキストを分析し、学習の深さや理解の変化を定量化する研究に取り組みました。既存の分野の枠組みにとらわれず、柔軟に方法を組み合わせながら研究を進める環境に恵まれていたと感じています。
 本コースは文系の研究科でありながら、プログラミングやデータサイエンスを活用した研究に挑戦できる点が大きな魅力です。先生方の専門は多岐にわたり、異なる分野の視点から丁寧な助言をいただけます。プログラミングの経験が多くなくても手厚いサポートがあり、学生の挑戦を尊重してくださる温かい雰囲気の中で、自分の研究を着実に形にしていくことができました。
 また、各種研究助成や支援制度も充実しており、私は JST の SPRING プロジェクト生として支援を受け、研究に専念できる環境のもと成果を積み重ねることができました。国内外の学会に複数回参加し、世界各地を訪れながら研究発表を行う経験は、研究の視野を広げるだけでなく、自身の研究を異なる文脈から見直す貴重な機会となりました。
 これまでの研究生活は、専門分野の深化にとどまらず、自身の関心を長期的に探究し続ける姿勢を養う時間でもありました。現在、九州大学にて研究員として研究活動を続けていますが、本研究科で得た経験とネットワークは研究を進めるうえでの大きな基盤となっています。皆さんとこの研究科で学び合える日を楽しみにしています。

 

qa


大学では情報や通信の専門的な勉強はしてきていないのですが、大丈夫でしょうか?

当コースを選ぶにあたっては、必ずしも、理工系の情報通信を専門とする必要はありません。高度な情報通信技術を学び、それらを自分の専門分野に生かそうという意欲をもった院生を歓迎します。

数学が苦手なのですが、ついていけるでしょうか?

当コースでは、最先端技術をより高めていくような技術革新といった研究ではなく、既存の技術がどのように使われるのか、また、より良い使い方はないのかといった応用面での研究を行なっています。仕組みを理解しその仕組みを工夫する事でどのような新しい活用ができるかを模索するには、より広い意味での理解力は求められますが、高度な数学を駆使することはほとんどありません。

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