情報コミュニケーション
グローバル文化専攻・言語情報コミュニケーション系
情報コミュニケーションコース
最終更新日 2021年8月14日
コースの紹介
情報コミュニケーションコースは、コンピュータやインターネットに代表される、情報通信技術を用いたコミュニケーションについての教育・研究を行うコースです。当コースでは、インターネットにおける最新の情報発信技術、コンピュータを用いたコミュニケーション情報の収集・分析・整理方法といった、すぐに活用できる高度な情報処理技能の習得や、将来におけるより効果的なコミュニケーションの実現を目的とした情報通信技術の研究・開発を行なっています。
就職実績 | (前期課程) 株式会社DeNA、日本IBM、チームラボ株式会社、日本電気株式会社、西日本電信電話株式会社、滋賀県立成人病センター職員、コベルコシステム株式会社、スミセイ情報システム株式会社、富士通FIP、東京農工大学職員、神戸情報大学院大学准教授、富士通ビー・エス・シー、神戸情報大学院大学職員、グッドスカイ(株)、中国電信北京支社、中国広発銀行、野村総研、アクセンチュア (後期課程) 大阪大学大学院基礎工学研究科特任助教、立命館大学情報理工学部講師、神戸情報大学院大学助手、神戸女子大学助教、大阪産業大学講師、北九州市立大学准教授、大妻女子大学短期大学部准教授、中国国家核電エンジニア、台湾実践大学講師、厦門理工学院講師、関西学院大学理工学部研究員、神戸大学医学部附属病院IMCC特任助教、株式会社NTTデータ技術開発本部研究開発職 |
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在籍学生数 | (前期課程) 7名 (後期課程) 5名 |
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論文テーマ例 | 情報科目学習形態分析、文書の自動分類、XML検索法、IT技術者向け学習システム、外国語学習システムにおける誤りレベル判定機能、記憶の仕組みを活用した学習システム、質問支援システム、コミュニケーション指向の都市評価、逆引オノマトペ辞典、ユーザインタフェース、コミュニケーション支援、ニューラルネットワークによるコンピュータ「錯視体験」 |
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所属教員の紹介 | 大月 一弘 教授 コンピューター・コミュニケーション・システム論特殊講義ほか 情報通信システムに関する研究をしています。阪神・淡路大震災において情報を持ち使う側の視点と情報伝達システムを構築する側の視点との間に、ある種のギャップがあることを痛感し、「使う側の人の目・現場の目」を重視するようになりました。 康 敏 教授 コンピューター・シミュレーション論特殊講義ほか 情報通信技術の情報教育及び外国語教育への応用に関してコミュニケーションの視点から研究・開発を行っています。特に統計的アプローチを用いてユーザのニーズにあった情報を提供することとユーザの特徴を抽出することに焦点を当てています。 清光 英成 教授 情報ベース論特殊講義ほか データベースシステムやWeb 情報システムを用いてデータを高次利用することを目的としています。アクセス履歴などの利用者プロファイルや場所・時間などの状況を参考に「いつもの」という入力に利用者個別の答えを出力することをテーマにしています。 西田 健志 准教授 計算科学応用論特殊講義ほか 情報システムの操作性を向上するユーザインタフェースの研究、人どうしのやり取りを円滑にするコミュニケーションシステムの研究をしています。特に、意見がまとまらない、批判的な意見が言い出せない、外国語が流暢でないなど、コミュニケーションがうまくいかない状況を情報と心理の両面から見つめ直すこと、開発したシステムを実際に運用して知見を得ることを重視しています。 村尾 元 教授 認知情報システム論特殊講義ほか 生物に倣った「柔らかい情報処理」の技術とマルチエージェントシステムの手法を用いて、人間をはじめとする生物の集団に現れる知的な振る舞いの分析と応用について研究をしています。対象となるのは、人間などの個体が構成する小さな集団から、社会、経済、インターネットまで様々です。 大山牧子 准教授 教育システム情報論特殊講義ほか (大学教育推進機構 大学教育研究センター) 教育工学の枠組みで、大学の授業を効果的で効率的にするための手法やシステムを開発する研究を行っています。中でも学びを深める思考形態であるリフレクションに関心を持っており、リフレクションが学習効果にもたらす影響の分析やリフレクションを促すツールの開発に取り組んでいます。 |
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前川 絵吏さん(博士前期課程2年)
徳島大学工学部卒業
研究テーマは「ニューラルネットワークを用いたやさしい日本語の自動生成(テキスト平易化)」
★メッセージ
私が興味を持っているのは、ニューラル機械翻訳を用いたテキスト平易化に関する研究です。日本語学習者が新聞やニュース記事を読むと、知らない言葉や表現があって理解できないことがあります。そのため、難しい文章をやさしい文章に書き換えて提供するサービスがありますが、そのほとんどが人の手で書き換えたものです。ニューラル機械翻訳を使ってその書き換えを自動化することが、私の研究のテーマです。
日本語はデータセットが少ないため、外国語(特に英語)と比べると、言語を扱う情報技術は発展が遅いと感じます。しかし、本研究科には言語学や日本語教育を研究しているコースもあるので、日本語を扱う自然言語処理を学ぶには理想的だと考え、入学を希望しました。
入学から現在までの期間に、テキストマイニングによってデータ分析をしたり、文書生成プログラムを作ったりしました。プログラミングは経験がありましたが、機械学習のプログラムを作ったのは入学してからです。自然言語処理に関する知識もほとんど大学院に入学してから習得しました。自然言語処理やディープラーニングは近年めまぐるしく発展しており、新しい論文を理解するだけでも大変です。新しい技術が何に活用できるのか、自分の研究にどう繋がるのかを常に考えています。
私は入学前から教育に関わる仕事に就いていて、現在も仕事量を調整しながら研究を進めています。なかなか研究が進まないこともありますが、研究室の学生や、先生方の熱心な指導を受けて、充実した日を過ごせています。
川田 恵さん(博士後期課程2年)
神戸大学大学院国際文化学研究科博士前期課程修了
研究テーマは「非言語情報を用いたコミュニケーション拡張に関する研究」
★メッセージ
学部時代から情報分野に関心があり、プログラミングや画像処理、映像処理などを主に学んでいました。大学4年生の時に、情報についてもっと専門的な知識を身に付けたいと考え、神戸大学の国際文化学研究科情報コミュニケーションコースへの入学を希望しました。
本コースには、研究科案内に掲載されているように様々な研究分野が設けられています。そのため、理系と文系といったはっきりした境界がなく、両方の視点から研究を行うことができます。自分の興味がある研究に加えて、様々な視点から研究について考えることができる、これが本コースの魅力だと思います。
また、学会や国際交流を通して国内外問わず様々な研究者や先生方と交流することができ、これらに積極的に参加することで、世界の人々と自分の研究に関して意見交換を行うことができます。私が所属する研究室では家族のような雰囲気で、先生からも先輩からも熱心なサポートを受けることができます。すでに就職された先輩方や、同じ研究室
の仲間には日々刺激を受けています。
大学院に進学するということは、専門的な知識を身につけること、自分の研究テーマを遂行することが大事ですが、自分の世界を広げる機会がたくさんあります。一緒に世界に羽ばたきましょう。大学院に進学する皆様をお待ちしております。
謝 涵さん(2017 年度博士前期課程修了)
研究テーマ:「物語の登場人物を把握しやすくする読書支援システム」
現在、シンプレクス株式会社勤務。
★メッセージ
私は学部生の頃に、外国語学部に所属し、日本語を専攻しました。もともと情報通信分野に興味を持っていましたので、このコースの紹介や先生たちの論文を読んで、この分野に挑戦したいと思い、大学院に進学しました。博士前期課程修了後、金融システム開発の会社でシステムエンジニアとして働き、システムデザインと実装開発の仕事をメインに担当しています。現場で院生の時に勉強したIT知識とものづくりの経験を生かしています。
本コースでは、自分が今まで勉強してきたことだけでなく自分が興味を持つテーマについて研究することができます。講義で情報に関しての様々な研究分野を知り、視野を広げられ、新たな目線で周りの世界を観察することができます。また、グループで一緒にアイディアを出して、ものづくりの楽しさも味わえます。研究については、アイディアと研究目的を重視し、情報の力で身の回りのコミュニケーション問題を解決していきます。先生たちは学生のアイディアを尊重し、しっかりサポートしてくれます。文系と理系という境界ははっきりしていなく、両方の知識を用いて研究をすることが情報コミュニケーションコースの魅力だと思います。
大学院に進学することで、専門性の高い授業も受けることができますし、学会発表などの経験でグローバルな視野を身に付けることもできます。本コースに興味ある方は、ぜひ挑戦してみてください。
川村 晃市さん(2019 年度博士後期課程修了)
同志社大学文学部卒業、南カリフォルニア大学大学院教育学研究科修士課程修了、神戸大学大学院国際文化学研究科博士後期課程修了。
現在、神戸大学医学部附属病院特命助教。
★メッセージ
情報コミュニケーションコースへの進学を希望する方のもっとも知りたいことは、「情報通信系の専門知識がなくてもついていけるのか」ということだと思います。個人的な意見になりますが、この問いに対する私の答えは「やる気次第です」です。もちろん、プログラミングなどの専門知識があるに越したことはないですが、専門知識より主体的に研究する意欲があることの方が重要だと思います。私自身、私立文系学部出身ですがついていくことができました。
次に知りたいことは「情報コミュニケーションコースはどのような雰囲気なのか」ということかと思います。こちらも個人的な意見になりますが、「自由です」です。研究に関して、先生方は院生の考えを尊重してくださいますし、いろいろな挑戦を許容していただけます。いわゆる、押し付けや強要とは無縁です。私も指導教官に自主性を尊重していただけたことで研究のやりがいと面白さを知ることがき、充実した研究生活を送ることができました。
最後に、当コースの特徴を書いておきます。情報コミュニケーションコースには様々なバックグラウンドを持った学生が在籍しており、互いに切磋琢磨できる環境があります。また、コースの性質上、情報機器が充実しておりシステムの開発環境もあります。特に強調したいこととしては、先生方と院生の距離が非常に近く、研究意欲のある院生に対しては熱心にご指導していただける研究環境があることです。
大学では情報や通信の専門的な勉強はしてきていないのですが、大丈夫でしょうか?
当コースを選ぶにあたっては、必ずしも、理工系の情報通信を専門とする必要はありません。高度な情報通信技術を学び、それらを自分の専門分野に生かそうという意欲をもった院生を歓迎します。
数学が苦手なのですが、ついていけるでしょうか?
当コースでは、最先端技術をより高めていくような技術革新といった研究ではなく、既存の技術がどのように使われるのか、また、より良い使い方はないのかといった応用面での研究を行なっています。仕組みを理解しその仕組みを工夫する事でどのような新しい活用ができるかを模索するには、より広い意味での理解力は求められますが、高度な数学を駆使することはほとんどありません。