15の多様な専門コース

グローバル文化専攻・外国語教育系 外国語教育システム論コース

最終更新日 2015年9月11日

コースの紹介

外国語教育システム論では、外国語教育の基礎を担う言語学、心理学、言語表象作品分析など様々な領域の学際的知見を援用して研究を行い、それらを有機的・総合的に連関させることで、外国語教育のシステムの研究・実践にあたることができる有為の人材養成を行います。本教育研究分野では、特に、

(Ⅰ)言語学、心理学など関連諸分野の知見に基づく学際的な言語教育研究
(Ⅱ)幅広い言語文化・表象作品の言語教授法への応用と方法論研究
(Ⅲ)IT 教育システムなど言語教育環境整備に関わる実践的研究
(Ⅳ)言語教育を取り巻く文化的・社会的環境基盤要因に関わる研究
(Ⅴ)教育現場における教育指導実習等の活動支援

の5点を重視して研究指導を行います。

進路実績

(前期課程) 
  千葉県市立高等学校,大阪府立高等学校,神奈川県立高等学校,他

(後期課程)
 
兵庫教育大学,神戸学院大学,近畿大学,自然科学研究機構,神戸市工業高等専門学校,他

在籍学生数

前期課程 2年3名(内キャリアアップ1名)

後期課程 1年2名 2年2名 3年1名

論文テーマ例

(前期課程)
Time-course effects of vowel epenthesis on novel word learning and the establishment of lexical representation
The effects of retelling on Japanese EFL’s text comprehension: Through the analysis of retelling protocol
Variability of the parsing process in relative clause sentence comprehension for Japanese EFL learners: A maze task study

(後期課程)
 An investigation of the automaticity in parsing for Japanese EFL
 learners: Examining from psycholinguistic and neurophysiological
 perspectives
 The automatization of grammatical encoding process during oral
 sentence production by Japanese EFL learners: A syntactic priming
 study

所属教員の紹介

加藤 雅之 教授 言語教育環境論特殊講義ほか
英語教育。WEB やコンピュータを使った効果的な授業展開の方法、および社会文化的な文脈における外国語教授、Word Englishes の状況を研究しています。

島津 厚久 教授 言語文化表象論特殊講義ほか
アメリカ現代文学。中でもユダヤ系アメリカ文学で、特に小説家バーナード・マラマッドの長・短編小説を「表現」の観点から読み解こうと試みています。

髙橋 康徳 講師 言語対照基礎論特殊講義ほか
中国語学、音声学、音韻論。中国語諸方言の声調に関する現象を音声学・音韻論の観点から研究しています。

廣田 大地 講師 言語文化環境論特殊講義I ほか
フランス文学。ボードレールを中心とした近代フランス詩を研究対象とし、その詩学を言語学的観点から記述することを目標としています。他にも WEB やコンピュータを用いた文学研究・語学教育に関心があります。

PINTER Gabor 准教授 言語科学論特殊講義ほか
音韻論、音声学、理論言語学、音声処理、音声認識。研究の目標は理論的なモデルによって、音声体系の構造と音声聴覚の特徴を記述、説明することです。

福岡 麻子 准教授 言語文化環境論特殊講義II ほか
作家エルフリーデ・イェリネクを中心に、オーストリア現代文学・演劇を主な研究領域とし、文学における災厄の記憶と想起、視覚芸術と書字芸術とのかかわり、テクストの身体性などを主題にしています。言語芸術が社会に対して持ちうる(動的な)関係、(外国語)文学を研究することの意義や必然性について、長い目で考えてみたいという方を歓迎します。

横川 博一 教授 言語教育科学論特殊講義ほか
英語教育学・心理言語学。第一言語および第二言語のリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングおよび語彙の認知処理メカニズムとその授業実践への応用可能性を探ることが主な研究テーマです。

 

所属学生からのメッセージ

渡部 宏樹さん(博士後期課程2年:コースワーク型)

watanabe_★メッセージ
私は、日本人英語学習者が、英語の語強勢やイントネーションといった韻律情報を脳内でどのように処理しているのか、また学習を通してそのような情報の処理がどのように変容していくのか、を明らかにするための研究を行っています。例えば、日本語の「雨」と「飴」の意味が異なるように、語強勢・アクセントやイントネーションなどの情報は、その言語を理解するときに重要な役割を果たしています。しかし、これらの情報は、その言語の学習者にとって、習得が非常に困難な要素でもあります。心理言語学・神経生理学的な研究を通して、実際の授業現場で、英語の韻律情報を「どのように教えればいいのか」という点に少しでも貢献できることを願っています。
 私自身、英語を教えていたことがあり、「もっと英語を話したり、聞いたりできるようになるには、どのように教えればいいのだろう」ということに思いを巡らせていました。その結果、「人がどうやって言葉を話したり、聞いたりしているのか」というその「プロセス」をもっと理解する必要があるのではないか、と考えるようになり、大学院で心理言語学という人間の言葉の処理を扱う学問を研究することを目指し始めました。
 大学院での研究は決して容易なことではありませんが、それ以上に、研究をするということには、自分の明らかにしたいことに一歩一歩近づいていく楽しさや、自分の取り組んでいる課題が少しでも現在の英語教育に貢献できるのではないかという希望があります。また、本コースでは、様々な分野を専門とされる先生方からご指導をいただく機会が多くあり、多面的な視点から研究に取り組むことができます。いつも親切かつ熱心に指導してくださる先生方に支えていただきながら、また研究を共にする仲間と悩みや喜びを共有しながら、研究生活を送っています。

榊原 啓子さん(後期課程2年: コースワーク型)

榊原 啓子
私は現在、日本人英語学習者の英語文章理解について研究しています。
私たちが母語である日本語で文章を読むときは、日本語に長く接触しているため無意識のうちに文章を処理し理解しています。しかし、文章理解は文レベルの処理だけでなく、文と文との関連性を見出しながら統合していくという複雑なプロセスの上に成り立っています。そのため、文章理解の自動化にはそれを支える多くのプロセスの自動化が必要であり、そのことが学習者にとって英語文章理解を難しくしています。
私がこの研究に興味を持ったのは、この研究科に入学する前、民間の英語リーディング教室の講師をしていた経験からです。同じ教材を学習していても学習効果は必ずしも同じではないことから、日本人英語学習者の文章理解力の差はどこから来るのか、またどうすれば文章理解力を向上させることができるのかを研究したくてこの研究科に入学しました。
大学院入学後は様々な講義、演習や研究発表時の先生方の貴重なご意見などを通して研究に係わる多くを学ぶことができ、言語理解研究の奥深さも知ることができました。また、ゼミや論文輪読の時の先生や院生仲間とのディスカッションも私の研究に多くの刺激と発見を与えてくれる、なくてはならない貴重な時間です。現在、この研究が少しでも何かのお役にたてることを願いながら、恵まれた研究環境の中で、日々、研究を続けています。

 

松田 美咲さん(2013年度博士前期課程修了)

松田 美咲★メッセージ
大学で中国語に興味を持ち、学部3回生の一年間、中国南京大学へ留学しました。中国では、日本語を勉強する学生に数多く出会い、お互いの母語を教え合う機会もありました。しかし、自分の母語とする日本語をうまく伝えることができないもどかしさを感じ、「もっと日本語を知りたい」、さらに「教えられるようになりたい」という想いから大学院へ進学しました。
大学院では、言語学や教育学に関する基礎的な知識を学ぶことができる授業とともに、教育現場に直結する実践的な内容に取り組む授業をも受講しました。各国から神戸を訪れた留学生とグループで調べ学習をしたり、留学生の日本語の授業に入ってサポーターをしたりしました。その結果、基礎から実践まで幅広い内容を身につけることができました。
また、自身の研究については、参考となる論文に目を通し、それを踏まえて調査の計画を立て、実行に移していきました。その時々で、指導教員の先生をはじめ、コース、または研究科の先生から多くのアドバイスをいただき、改善していきながら、研究に専念することができました。研究のやり方、資料の探し方、論文の書き方などについても細かいところまで改めて学び直し、研究の深さを認識しました。調査では、中国人の留学生や日本語を母語とする方々に協力していただき、実際に話されている日本語を対象として考察を進めていきました。論文を書き終え、自分の研究したことが形になったときは本当に嬉しかったです。この二年間で、一つのことに深く向き合い、新しい視点で物事を考えることができるようになりました。この成果は私にとって大きな自信となり、今の生活にも繋がっています。
現在は、高校で国語の教師として教育に携わり、そこで生徒との関わりや授業の組み立てに日々奮闘しています。教育についての研究は尽きることはないと思います。大学院で学んだこと、研究したことを、あらゆる形で教育現場へ生かせることができればと思います。

中川 恵理さん(2013年度博士後期課程修了)

神戸大学国際文化学部卒業、神戸大学国際文化学研究科博士前期課程・後期課程修了。

narumi_only★メッセージ
 
私は大学で主に英語学について学んでいましたが、その知見を日本人の英語の理解・習得や、日本の英語教育の改善により効果的に活かすことはできないかと考えるようになり、外国語教育を学際的な視点から研究することのできる外国語教育システム論コースへ進学しました。大学院では、日本人英語学習者が英文を読む際の処理メカニズムや、学習者の熟達化に伴う処理の自動化プロセスについて、心理言語学的行動実験(眼球運動測定実験)や、神経科学的脳科学実験(事象関連電位測定実験)などを通して研究を行いました。
 このコースは、ただ単に専門的な知識や理論を学ぶだけでなく、それらを踏まえた授業実践や授業改善、また、外国語教育が抱えている問題点やその解決策などについて、確かな理論に基づいて考えることのできる、数少ない大学院であると思います。外国語教育を少しでも良くするにはどうしたら良いのかを考える上で、外国語教育の基盤となっている学術的知識を学び、それに基づいて深く真剣に考察することが、外国語教育に携わる私たちにとって、必要不可欠なことではないかと思います。
 また、このコースは研究対象となる言語や研究テーマ、研究のアプローチの仕方も多岐に渡り、外国語教育を多角的な視点から考えることのできる素晴らしい研究環境にあると思います。教員や学生との議論も非常に活発で、在学中、ゼミなどでの研究発表時には、様々な観点から有益なコメントやアドバイスなどをいただくことができ、研究に対して、常に新しい視点を取り入れながら取り組むことができました。このような経験は、私の現在の教育・研究活動の大きな礎となっています。
 現在、私は兵庫教育大学の専任講師として、現職教員の大学院生や教員志望の学部生を対象とした英語科教育の授業やゼミを担当しています。教えられる側から教える側に変わり、試行錯誤の日々が続いていますが、学生の皆さんと一緒に外国語教育について学び考える立場にいることへの楽しさや喜びも感じています。この大学院で学んできたことを学生の皆さんに伝えることで、日本の外国語教育が少しでも良い方向に進んでいけるように、これからも教育・研究活動に取り組んでいきたいと思っています。

 

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外国語教育システム論コースとは、どのようなことを研究するコースでしょうか?

外国語教育システム論とは、外国語教育の基盤となる基礎研究の知見について理解を深め, 学際的な立場から新しい時代の外国語教育のあり方を探求しようとするコースです。

外国語教育システム論コースでは、どのようなことが学べるのでしょうか?

このコースでは、外国語教育のシステムを支える、言語学・心理言語学、外国文学、文化学について広く学びながら、外国語教育の研究を行ったり、実践力を身につけることができます。また、英語のみならず、ドイツ語、フランス語、日本語などの言語を専攻する院生にも対応しています。

中学校・高等学校の英語教員志望ではないのですが、このコースには不向きでしょうか?

このコースは、英語の教員養成のみを目的としたものではありません。たとえば、外国語教育への応用を考えながら、心理言語学やカルチュラル・スタディーズの研究を行ったり、外国語習得を意識しながら, アメリカ文学、ドイツ・オーストリア大学、フランス文学を専門とするなど、幅広くかつ深く学ぶことができます。

入学後は、コースが開講する授業しか履修できないのでしょうか?

外国語教育システム論コースに所属していても、他コースの授業を履修することが可能です。外国語教育システム論コースに開設されている授業科目を中心に、たとえば、外国語教育コンテンツ論コースが開講する授業科目を履修することができます。

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