15の多様な専門コース

グローバル文化専攻・外国語教育系 外国語教育システム論コース

最終更新日 2017年8月22日

コースの紹介

  外国語教育システム論では、外国語教育の基礎を担う言語学、心理学、言語表象作品分析など様々な領域の学際的知見を援用して研究を行い、それらを有機的・総合的に連関させることで、外国語教育のシステムの研究・実践にあたることができる有為の人材養成を行います。本教育研究分野では、特に、(Ⅰ)言語学、心理学など関連諸分野の知見に基づく学際的な言語教育研究
(Ⅱ)幅広い言語文化・表象作品の言語教授法への応用と方法論研究
(Ⅲ)IT 教育システムなど言語教育環境整備に関わる実践的研究
(Ⅳ)言語教育を取り巻く文化的・社会的環境基盤要因に関わる研究
(Ⅴ)教育現場における教育指導実習等の活動支援
の5点を重視して研究指導を行います。

 
進路実績

(前期課程) 
  千葉県市立高等学校,大阪府立高等学校,神奈川県立高等学校,他

(後期課程)
 
兵庫教育大学,神戸学院大学,近畿大学,自然科学研究機構,神戸市工業高等専門学校,他

在籍学生数

前期課程 6名

後期課程 2名

論文テーマ例

(前期課程)
Time-course effects of vowel epenthesis on novel word learning and the establishment of lexical representation
The effects of retelling on Japanese EFL’s text comprehension: Through the analysis of retelling protocol
Variability of the parsing process in relative clause sentence comprehension for Japanese EFL learners: A maze task study
A study of English loan words in Korean and Japanese

(後期課程)
An investigation of the automaticity in parsing for Japanese EFL learners: Examining from psycholinguistic and neurophysiological perspectives
The automatization of grammatical encoding process during oral sentence production by Japanese EFL learners: A syntactic priming study
The role of exposure to syntactic structures and discourse-driven syntactic processing in Japanese EFL learners’ text comprehension

所属教員の紹介

加藤 雅之 教授 言語教育環境論特殊講義ほか
英語教育。WEB やコンピュータを使った効果的な授業展開の方法、および社会文化的な文脈における外国語教授、Word Englishes の状況を研究しています。

島津 厚久 教授 言語文化表象論特殊講義ほか
アメリカ現代文学。中でもユダヤ系アメリカ文学で、特に小説家バーナード・マラマッドの長・短編小説を「表現」の観点から読み解こうと試みています。

髙橋 康徳 講師 言語対照基礎論特殊講義ほか
中国語学、音声学、音韻論。中国語諸方言の声調に関する現象を音声学・音韻論の観点から研究しています。

廣田 大地 准教授 言語文化環境論特殊講義I ほか
フランス文学。ボードレールを中心とした近代フランス詩を研究対象とし、その詩学を言語学的観点から記述することを目標としています。他にも WEB やコンピュータを用いた文学研究・語学教育に関心があります。

福岡 麻子 准教授 言語文化環境論特殊講義II ほか
作家エルフリーデ・イェリネクを中心に、オーストリア現代文学・演劇を主な研究領域とし、文学における災厄の記憶と想起、視覚芸術と書字芸術とのかかわり、テクストの身体性などを主題にしています。

横川 博一 教授 言語教育科学論特殊講義ほか
英語教育学・心理言語学。第一言語および第二言語のリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングおよび語彙の認知処理メカニズムとその授業実践への応用可能性を探ることが主な研究テーマです。

保田 幸子 准教授 言語科学論特殊講義ほか
第二言語習得論、第二言語ライティング、ジャンル分析、カリキュラム開発。「第二言語で書く」という行為をめぐり、書き手の方略やジャンル意識,言語的・文体的特徴に焦点を当てた研究を行っています。これらが長期的にどのように変化するか、なぜ変化するかという発達プロセスを明らかにすることが研究テーマです。

 

所属学生からのメッセージ

星野 美穂さん(前期課程2 年生)

★メッセージ
  私が外国語教育の分野に興味を持ったのは、学部時代に教職課程を通して小・ 中・高校生と触れ合い、彼らに外国語を通して異文化などを経験し、人生を豊かに して欲しいという思いがあったからです。また、厳しい選考を勝ち抜き、高校生の 時からの目標であった交換留学もできました。留学先のアメリカでは、言語学・心 理学・教育学などの幅広い分野に触れ、日本の大学では学べなさそうな興味深い 授業も履修しました。学業以外にも積極的に交流の場に参加し、文化の違いの面 白さを知ったり理解の難しさに涙したりしました。交換留学での経験は私の大きな 財産となり、そこで磨かれたコミュニケーション能力は今でも活かされています。
 したがって、大学院では「コミュニケーション能力養成のための動機付け」につ いて研究しようと決めました。具体的に、日本語母語話者の中学生を対象に、英 語学習者が英語学習を通してどのような段階を経て異文化コミュニケーションに 興味を持ち、学び続ける意欲を維持していくのかを追求しています。実施したア ンケート結果の分析や考察をコース集団指導で発表し、先生方が多くの意見や解 決策をくださいます。そのおかげで、結果を鵜呑みにせずに疑いを持ったり、新た な視点で考えることができたりして、心強いサポートを受けながら日々研究に取り 組んでいます。
 履修科目に関しては、教職課程の専修免許取得と日本語教員養成サブコース の為の授業を主に履修しています。ほとんどの授業において、先生方は個人の研 究に関連付けられるように工夫してくれています。私の研究がいつか外国語教育 界で広まって活かされる日を夢見て、頑張っていこうと思います。

 

平野 亜也子さん(博士後期課程3 年)

★メッセージ
  私が大学院への進学を志したのは、英語教員として授業を担当する中で 科自分の経験値に基づき実践している活動や指導が、本当に効果があるのか のどうかを検証したいと考えたからです。そして、日本人の英文処理の研究 招を通して得た知見を、日本の英語教育の改善に活かしたいと思い、外国語待教育システム論コースへ入学しました。入学後、授業では多くの知識を学 ばせていただき、ゼミでは先生から貴重なアドバイスをいただくことで、 研究の方向性を日々修正しながら実験計画を進めることができました。
 また、神戸大学では、定期的に集団指導を受ける機会が設けられている ため、自分の研究の問題点に気づく機会が数多く提供されています。例え ば、年に2回開催される集団指導演習と年に1回開催されるコロキアムで は、幅広い言語教育分野でご活躍されている先生方からのご意見をいただ くことで、自分の研究を新たな視点から見ることができます。さらに、多 くの先生方の前でプレゼンテーションをする機会は、「分かりやすく伝え る力」を鍛える場となります。このような経験は、大学院生としてだけで はなく今後研究を続けていく上でも、大変貴重だと思います。
  現在私は心理言語学的な実験手法を用いて、日本人英語学習者がどのよ うに英文を理解しているのか、そして日本人英語学習者の英文理解が時に 失敗する要因は何なのかを解明しています。今後は、英文理解における困 難点を克服するためには、どのような活動や学習方法が効果的なのかを検 証しようと考えています。大学院での研究成果を英語教育現場に生かして 日本の英語教育に貢献できるように、日々努力しています。

 

 

李 知連さん(2016年度博士前期課程修了)

★メッセージ
  学部生の時、交換留学で初めて日本に来ました。多国籍の学生達と一緒に英語で授業を受ける環境で、世界の英語に興味を持ちました。日本の学生と世界のいろいろな国からの学生たちの英語の発音はそれぞれ違うことを知り、これについてもっと研究したい気持ちになりました。特に日本人と韓国人の英語の発音が異なることを感じ、「カタカナの英語とハングルの英語の発音の差は何であるのか」という疑問に答えたいと思い、大学院に進学しました。
 大学院では研究科の先生の外国語教育に関するいろいろな実験や講義を聞き、言語学と外国語教育に関する基礎知識を学びました。特に外国語 習得のメカニズムについての講義を通して言語習得のプロセスを科学的 に見ることができました。また研究を様々な場面に応用することができ ました。そのひとつが大学の近くにある小学校で英語母語話者の先生と 日本人の先生とのチームティーチングを参観したことです。その経験に 動機付けられ、研究を実践するため1年間インターナショナルスクールで小学生に英語を教えることもできました。
 修士論文を初めて書く私に指導教員の先生を含め他の先生方や先輩からの支えが力になりました。また集団指導を通して論文の流れと内容についてアドバイスをもらい、アンケートと面接調査を実施し、それを分析することで論文を完成しました。
 卒業後は指導教員の先生との相談の中で、大学院で学んだ英語を活用したいと思うようになり、国際的な雰囲気の会社( 日本の韓国系保険会社 ) に就職が決まり、ビジネスの中での英語の使い方についてさらに学べることができるのではないかと思っています。

 

鳴海 智之さん(2013年度博士後期課程修了)

神戸大学国際文化学部卒業、神戸大学国際文化学研究科博士前期課程・後期課程修了。

narumi_only★メッセージ
 
私は大学で主に英語学について学んでいましたが、その知見を日本人の英語の理解・習得や、日本の英語教育の改善により効果的に活かすことはできないかと考えるようになり、外国語教育を学際的な視点から研究することのできる外国語教育システム論コースへ進学しました。大学院では、日本人英語学習者が英文を読む際の処理メカニズムや、学習者の熟達化に伴う処理の自動化プロセスについて、心理言語学的行動実験(眼球運動測定実験)や、神経科学的脳科学実験(事象関連電位測定実験)などを通して研究を行いました。
 このコースは、ただ単に専門的な知識や理論を学ぶだけでなく、それらを踏まえた授業実践や授業改善、また、外国語教育が抱えている問題点やその解決策などについて、確かな理論に基づいて考えることのできる、数少ない大学院であると思います。外国語教育を少しでも良くするにはどうしたら良いのかを考える上で、外国語教育の基盤となっている学術的知識を学び、それに基づいて深く真剣に考察することが、外国語教育に携わる私たちにとって、必要不可欠なことではないかと思います。
 また、このコースは研究対象となる言語や研究テーマ、研究のアプローチの仕方も多岐に渡り、外国語教育を多角的な視点から考えることのできる素晴らしい研究環境にあると思います。教員や学生との議論も非常に活発で、在学中、ゼミなどでの研究発表時には、様々な観点から有益なコメントやアドバイスなどをいただくことができ、研究に対して、常に新しい視点を取り入れながら取り組むことができました。このような経験は、私の現在の教育・研究活動の大きな礎となっています。
 現在、私は兵庫教育大学の専任講師として、現職教員の大学院生や教員志望の学部生を対象とした英語科教育の授業やゼミを担当しています。教えられる側から教える側に変わり、試行錯誤の日々が続いていますが、学生の皆さんと一緒に外国語教育について学び考える立場にいることへの楽しさや喜びも感じています。この大学院で学んできたことを学生の皆さんに伝えることで、日本の外国語教育が少しでも良い方向に進んでいけるように、これからも教育・研究活動に取り組んでいきたいと思っています。

 

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外国語教育システム論コースとは、どのようなことを研究するコースでしょうか?

外国語教育システム論とは、外国語教育の基盤となる基礎研究の知見について理解を深め, 学際的な立場から新しい時代の外国語教育のあり方を探求しようとするコースです。

外国語教育システム論コースでは、どのようなことが学べるのでしょうか?

このコースでは、外国語教育のシステムを支える、言語学・心理言語学、外国文学、文化学について広く学びながら、外国語教育の研究を行ったり、実践力を身につけることができます。また、英語のみならず、ドイツ語、フランス語、日本語などの言語を専攻する院生にも対応しています。

中学校・高等学校の英語教員志望ではないのですが、このコースには不向きでしょうか?

このコースは、英語の教員養成のみを目的としたものではありません。たとえば、外国語教育への応用を考えながら、心理言語学やカルチュラル・スタディーズの研究を行ったり、外国語習得を意識しながら, アメリカ文学、ドイツ・オーストリア大学、フランス文学を専門とするなど、幅広くかつ深く学ぶことができます。

入学後は、コースが開講する授業しか履修できないのでしょうか?

外国語教育システム論コースに所属していても、他コースの授業を履修することが可能です。外国語教育システム論コースに開設されている授業科目を中心に、たとえば、外国語教育コンテンツ論コースが開講する授業科目を履修することができます。

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