授業紹介
東南アジア国家形成論
担当教員:貞好 康志
この授業では東南アジア地域の国家形成について、その過程や背景、特徴を、時代をさかのぼって考えていきます。今日の国家に至るまでに、東南アジアはあらゆる外部の影響を受け、変化してきました。そうしたものの蓄積として「今」があることをこの授業では強く感じさせられました。
この授業で印象的だったのは、「国家とは何か」といったような今まで当たり前と思って考えたこともなかったことを本気で考えたことです。(これが宿題だったので。)おそらく答えは多様です。ただここで感じたのは「自分はどう考えたのか」ということの大切さ。ただ「聞く」だけの授業ではなく、各個人がしっかりと「考える」授業。これがこの授業の一番の特徴かもしれません。
実は私は大学に入る前までは、東南アジアの国々に興味を示すこともありませんでした。自分の目が向いていたのはヨーロッパやアメリカ。皆さんの中にもそういう人は少なくないのではないかと思います。ただ今から思うと、それは惜しいことであり、大学で東南アジアに触れるチャンスを得た自分はラッキーだったとも思います。自分が興味を抱いていない部分に目を向けてみるのは一見無駄なことのように思われがちですが、もしかするとそれは素敵な「出会い」のはじまりになるかもしれません。
(16期生 堀口 真以)
メディア文化論
担当教員:小笠原 博毅
たとえば、普段のスポーツ報道を読んでいて、何か疑問に感じることはないだろうか?何気なく毎日目にしている物でも、その裏には様々なコードがしかれている。言葉や写真、そしてそれらの大きさ、色といった要素が意味の総体として一つの情報媒体となっていく過程では、パズルのように次々と一定の規則に従って意味のピースをはめ込んでいく作業が無意識のうちに行われている。つまり、見出しや写真、記事の内容、それら全てが重なり合ってある種の世界観を形成していると言えるのではないか。そしてその世界観は、果たして当たり前のものなのだろうか?メディア文化論を受講して私が突きつけられたのはそんな疑問だった。そしてそのような世界観を裏で決定づける様々なコードを探り、それらが組み変わっていく可能性も探求する作業が、毎年テーマと内容が変わっていく中で、スポーツとメディアの関係を探ることを目的とした2009年度の講義だった。初回の講義で投げかけられた論点は、あるスポーツ・ジャーナリストの著書を参照しながら、「スポーツ新聞において、『オヤジ的』なものとは何か、なぜ『オヤジ的』なのだろうか?」というものだった。普通の視点ではない。定義など簡単にできる言葉ではないし、理由をどう説明していいかもわからなかった。しかし私にとって間違いなくスポーツ新聞は「オヤジ的」だった。錆び付いた意味の連鎖にもう一度視点を置いてみること、これが、私がこの講義から学んだことである。
(16期生 太田 光海)
専門演習A
担当教員:三浦 伸夫、北村 結花
専門演習Aは、課題図書や自分の研究について発表し、その内容を少人数で議論するという形式の授業です。これを通じて私は主に2つの事を学びました。1つは正しい本の読み方です。本の内容を的確につかむには、その本が書かれた時代背景や文化背景などを踏まえることが必要です。専門演習Aを通じて私は本を読む際の基本姿勢を身につける事が出来ました。例えば、ある課題図書を読むとき、筆者がどういう意図で引用しているのか、また本が書かれた時代背景を分析していくことで、作者の主張を読み解くことを学びました。2つ目はプレゼンテーション能力です。引用の仕方やパワーポイントの使い方などの基本的な事柄から、どのようにすれば相手に自分の言いたいことが伝わるのかなど、コミュニケーション能力の基本を学ぶことができました。以上を学ぶことで、それに続く専門演習Bへの移行が円滑に出来、今後の研究、発表をより有意義に行う事が出来ました。また専門演習Aの内容は幅広い分野を対象としたものが多く、色々な分野に挑戦し、自分は本当に何について興味があるのかを模索する機会にもなりました。
(17期生 平安 貴一)
専門演習B
担当敦員:藤濤 文子
藤濤先生の演習では、主に翻訳について勉強しています。今年は、まず翻訳をするときに現れる様々な効果について書かれた論文を読んだうえで、学生が各自興味を持って調べた題材を持ち寄り、発表しました。
ところで、皆さんは「翻訳」という言葉を聞いて、何をイメージしますか?小説や硬い文章を、他の言語に変えること?もちろん、それもれっきとした翻訳の一つですが、それだけではありません。たとえば、今回の演習では、字幕映画の音声と字幕の違いを調べた人や、グーグルや機械翻訳の性能を比較したり、日本語と英訳された絵本を調べた人もいました。僕も、漫画「ONE PIECE」を日本語と英語で比較したのですが、文字の形や擬音語などを調べていると新しい発見もあり、身近な題材も、とても奥深いんだな、と気づきました。一口に「翻訳」と言っても、実は文字だけじゃなくて、絵や映像、更にはその背景にある思想や習慣の「翻訳」があるんです!
「翻訳」と聞いて、長い文章を別の言語に変えるだけ、だと思っていませんでしたか?私たちの身近なところにも、映画やドラマ、広告など、翻訳がされているものがたくさんあります。身近なところから、翻訳の奥深さを味わってみませんか?
(16期生 藪内 達也)
基礎ゼミ
担当教員:柴田 佳子
基礎ゼミでは、これから国際文化学部で学ぶ上で必要になる、レジュメの作り方、またブレゼンテーションのスキルの基礎を学びます。はじめは用意された文献をみんなで読み込み、発表する事が多いのですが、ただ読むのではなく、深く文章を理解した上での深い議論ができるので、ひとりで読む時とは違った発見がたくさんあります。私がお世話になった柴田佳子教授の基礎ゼミでは、慣れてくると個人が持っている関心をもとに、一人ひとりが自由なテーマで研究し、ブレゼンテーションを行いました。毎回教授がプレゼンテーションの評価とアドバイスをして下さるので、常に向上心を持ってプレゼンテーションに挑む事が出来ます。また、基礎ゼミは10人程度の少人数で行うので、発表後の議論も活発に行われ、自分の持っているテーマについて、様々な意見を得る事が出来ます。友達からのたくさんの意見を聞く事で、自分が考えもしなかった側面に、何度も気づかされました。私は今、この基礎ゼミで得た関心をもとに、貧困と開発をテーマにして卒業論文の研究も始めています。国際文化学部では自分の興味のある事を自由に掘り下げて学ぶ事ができます。そしてこの基礎ゼミが、みなさんの関心を育てる最初のチャンスになると思います。
(16期生 岸田 菜見)
専門基礎英語
担当教員:ショルト
ショルト先生が開講するこの「専門基礎英語」では、「英語を使ってコミュニケーションする」ことを第一の目的とし、ボキャプラリーを増やすことにはじまり、最終的には英語を用いてクラスメイトと身近な話題に関して議論したり、クラスメイトの前でプレゼンテーションを行ったりと英語を受動的に学ぶだけではなく、能動的に吸収していくことにも主眼を置いた授業です。日本人は日本人だけで集まると、ともすれば日本語を使ってしまいがちです。そこでショルト先生は、受講生に「話す内容に気をとられるのではなく、たとえ内容が稚拙であったとしても授業時間の最後まで英語を話し続けることを心掛ける」ということを課しています。この点が、今までの英語の授業に比べて彼の授業の画期的な部分であると思います。というのも話す内容を意識しすぎるとそれを伝えることに躍起になりすぎて、もし微妙なニュアンスがあり相手に伝わりづらい場合、日本語を使って伝えようとすることもあるかもしれません。その点、話し続けることに重きが置かれているため受講生も「英語を使うということそれ自体」に抵抗を覚えることなく授業に参加することができます。またこの授業を受けることは将来、社会に出たとき大変役に立つと思います。それは会社の中でもし上司や同僚と英語で議論し、ブレゼンテーションする機会があった場合でも、焦ることなく落ち着いた状態で臨めるようにするという意味で、さらには今のうちからこのようなことを経験できるという意味でもこの授業は非常に奥の深い授業だと思います。
(18期生 浅野 良太)
情報科学演習I
担当教員:大月 一弘 他
大学生になるとパソコンでレポートを書いたり、集めたデータをグラフにしたり、発表のためにプレゼンを用意したりと、パソコンを使う機会が格段に増えます。また、これらの情報処理能力は、大学を卒業した後でも有用かつ必要だと思います。
国際文化学部の特徴の一つとして、文理の枠を超えた高度な情報処理能力の養成に力を注いでいるという点が挙げられます。情報科学演習Iではそれを反映して、実際にパソコンを使って操作方法や活用の仕方を勉強します。具体的には、レイアウトなとも考慮した高度な文書作成の方法、収集したデータを分析する際に役立つ表計算の操作、効果的な発表なためのプレゼンテーションの作成などです。先生の操作をモニタリングでき、ティーチングアシスタントの方もサポートしてくれるので学習環境も整っています。
大まかな流れとしては、1回生前期に情報基礎と情報科学概論、後期に情報科学演習Iがあり、必修です。2回生前期からホームベージ作成を学習できる情報科学演習II、後期から基本的なプログラミングを学習できる情報科学演習IIIを履修できます。情報コミュニケーション論講座にはほかにも実際にパソコンを使う授業が多くあり、どれも実践的だと思います。
(17期生 後藤 響介)
中村覚先生の演習 |
プレゼンテーションのひとコマ (坂井一成先生の演習) |
安岡正晴先生の 国際コミュニケーション演習 |