学科の構成

学科の構成

国際文化学部は1学科(国際文化学科)4講座12教育研究分野から構成されています。
学生は1年次に各講座の概論と専門科目を履修した後、2年次に講座を選択し、教育研究分野でさらに専門的な教育をうけます。

情報コミュニケーション論講座

世界の社会、文化、そして人聞をつなぐ架け橋、それがコミュニケーションです。現在もっともパワフルなコミュニケーションのメディアは、インターネットでしょう。しかしどのホームページを開いても、そこには言語があります。異なったことばで書かれた情報を「読めない」からといって無視するわけにはいきません。一方で、デジタル化されたコミュニケーションにおいては、人と人とが直接に向かい合うときに必然的に生じる「きもちが伝わっている」という手ごたえが失われがちです。

わたしたち情報コミュニケーション論講座では、地球規模のコミュニケーションのあるべき姿を追究するために3つの教育研究分野を設けました。

第1の言語コミュニケーション論では、言語の構造と運用、第二言語の獲得、異言語間のコミュニケーションなどを研究します。

第2の感性コミュニケーション論では、対人関係や感情、そして言語活動を支える音声や脳の機能など、認知科学的な側面からコミュニケーションを考えます。

第3のlTコミュニケーション論では、インターネット、携帯電話、デジタル通信などの情報通信技術(IT)を用いた新しいコミュニケーションの可能性を探求します。

これからの世界でよりよく生きていくためには、現実のニーズに応えながら、インターネットを支えている技術をも含め、情報化社会において必須の知識と技能を身につけ、新しい統合的なコミュニケーション科学を切り開いていくことが不可欠です。そして、それがわたしたち講座の教育目標なのです。

 

現代文化論講座

現代杜会は時代の大きな曲がり角にさしかかっています。
冷戦の終結、グローバル化の波、国民国家の揺らぎ、情報化された消費社会の進展などの動きとともに、これまで社会を支えてきた近代の諸原理がその有効性を問い直されており、

このような時代の変化に対応して、新しい現代文化が形成されつつあります。

わたしたち現代文化論講座は、このような錯綜する現代文化をとらえるために、3つの教育研究分野を設けました。

第1のモダニティ論では、現代社会をもう少し広い「近代」という枠組みのなかで見直します。具体的には、近代を支える杜会・経済・政治・芸術等のシステムや理論装置を原理的に問い直し、現代世界の進むべき方向性を探っていきます。

第2の先端社会論では、わたしたちの現代社会において時代の先端を形成する諸問題、たとえば、社会のシステムや社会意識の変容、生命倫理や環境問題、ジェンダーにかかわる諸現象、メディアやスポーツ文化などを個別に取り上げて分析することによって、現代社会の特徴を多面的に検討していきます。

第3の芸術文化論では、社会の中でとくにアートが果たす役割に注目し、音楽や演劇、現代アートや言語芸術など多様な表現メディアについて、芸術文化の現代的意義を考察するとともに、文化政策やアート・マネジメント分野の能力育成にも努めます。

 

異文化コミュニケーション論講座

今、世界では民族紛争が多発しています。

その背景には、それぞれの民族が自分たちの文化的価値観を主張するあまり、ほかの民族の文化的価値観を受け入れないという状況があります。しかし、他方では国境や文化の壁を乗り越えて、統合と融和をめざす動きも見られます。

現代世界は、異文化間の相互行為をとおして、複雑な分裂と統合の動きを繰り返しているのです。
わたしたち異文化コミュニケーション論講座では、こうした世界の動きを見すえながら、異文化間のコミュニケーションのあ吻方を明らかにし、世界の多様な文化が対話可能となるような方法を探り出そうとしています。

そのために講座のなかに3つの教育研究分野を設けました。

第1の異文化関係論。ここでは異文化をいかに解読するのかという視点からこの課題を考えます。

第2の多文化共生論では、その異文化の解読をもとにして、多くの異なる文化が互いに共生できるような制度的枠組みや原理を明らかにします。

そして第3の越境文化論。ここでは、文化の境界を越える活動とそれがもたらす文化変容を検討し、双方向的な異文化間コミュニケーションの可能性を探ります。

 

地域文化論講座

地域文化論講座は、21世紀の地球上に存在するさまざまな文化を地域別に研究します。また、そうした地域の文化が国境を越えて交流し、新しい文化を生み出していく様子を、さまざまな学問分野のアプローチによってとらえ、世界文化の過去と現在と未来を考えようとしています。そのために講座のなかに3つの教育研究分野を設けました。

第1の日本学では、日本の文化・社会の構造と特質を言語、芸術、文学、行動・生活様式や思想・価値観といった側面から調べ、古代から現代までどのように変化してきたか、現状はどうなっているのか、また国際社会においてどんな意味を持っているかを研究します。

第2のアジア・大平洋文化論では、世界の人口の3分の2を擁し、めざましい経済発展をとげるこの地域について、民族移動や紛箏の歴史的経緯、文化や経済の交流、宗教・教育による文化や社会の変化、政治・経済的な地域連帯の動きなどを研究します。

第3のヨーロッパ・アメリカ文化論では、現代人の生活と意識に大きな影響を与えた欧米的な考え方や価値観を調べ直し、それによってヨーロッパやアメリカで生まれてその後全世界に広がった言語、思想、芸術、社会制度などが21世紀にどのような意味をもつのかを研究します。

神戸大学大学院国際文化学研究科/国際文化学部
〒657-8501 兵庫県神戸市灘区鶴甲1-2-1
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